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“Icarus”イカロス



                 SHINWA WALK〜伝説そぞろ歩き 21〜40


「SHINWA WALK〜伝説そぞろ歩き」は、双方の共通点に着目し「ギリシャ神話と日本神話のハイブリッド」という手法で、郷土の神話、伝説、民話の足跡をたどるロマン紀行です。実際に現地に赴き、歩いて史跡を巡り生の情報を収集。現在、熱田法人会広報誌「あつたの杜」の中で連載しています。新しい伝説の世界をお楽しみください。第6回から遊び心をプラスするため、源氏香を採用しました。源氏香は平安時代に貴族の間で流行った高貴な遊びで、5回焚いた香の種類と順番を当てるものです。その種類と順番は全部で52通りあり、5本線で記号化しています。それぞれの記号に源氏物語の巻名がつけられていることから「源氏香」と呼ばれています。

                       ※原稿を読みたい方は、画像をクリックしてください。



SHINWA WALK 21


SHINWA WALK 22

●ポイント解説●

第21回は熱田神楽伝説2として奉納復活エピソードを紹介。100年ぶりに熱田神宮での奉納が復活した経緯に迫りました。保存会の石川来民造会長とは前シリーズ「OH!MATSIRI」の取材が縁で知り合い、今も親交があります。ギリシャ神話はクロノスに飲み込まれたゼウスの兄弟たちがゼウスの作戦により復活する話。源氏香は横笛。

●ポイント解説●

第22回は七所神社伝説。南区の七所神社祭礼の渡御行列は、そろりそろりとゆっくり進み、行列時代絵巻を見ているような奥ゆかしく雅やかな味わいがあります。七所神社が七神なら、ギリシャ神話は十二神。その中で知恵の女神・アテナの話を詳しく紹介。メインビジュアルは、里帰りするため、丹八山を登る渡御行列の様子。源氏香は柏木。


SHINWA WALK 23


SHINWA WALK 24

●ポイント解説●

第23回は熊野三社の松巨嶋伝説。かつて熱田から鳴海にかけて湾入した海辺(年魚市潟)になっていて、松巨嶋と呼ばれる島から熱田の宮まで船が出ていました。朝日を背に渡し船が松巨嶋から熱田の宮に向かうメインビジュアルは、往時に思いを馳せ作り上げたシリーズ最高傑作の一つ。ギリシャ神話は海の神・ポセイドンを紹介。源氏香は浮舟。

●ポイント解説●

第24回は円通寺の火渡り伝説。全国的にも有名な秋葉山円通寺の火祭り神事を紹介。ギリシャ神話は天から火を盗んできて人間に与えたプロメテウスの話です。プロメテウスのおかげで火を手に入れた私たち人類はその後、次々に便利なものを発明しましたが、果たしてそれが幸せかどうか、問題提起しました。源氏香は常夏。



SHINWA WALK 25


SHINWA WALK 26

●ポイント解説●

第25回は見晴台遺跡伝説。南区の笠寺台地上に位置する見晴台遺跡からは堅穴住居跡や土器、石器などが数多くみつかっています。そして、ギリシャ神話を信じて、遺跡発掘し大発見をしたシュリーマンの話。史実の羅針盤を探し求める、これぞ伝説そぞろ歩きの原点。メインビジュアルは土器の丸窓越しに見えるトロイの木馬です。源氏香は真木柱。

●ポイント解説●

第26回は高砂山車伝説。富部神社の高砂山車を紹介。かつてご当地の祭りでその勢力を競い合った「大山2輌、小山6輌」のうちの小山の一つです。ギリシャ神話は戦いの神・アレスを紹介。荒くれ者のアレスの心を調和させる存在が娘のハルモニアだったという話です。メインビジュアルはパステルトーンでハーモニーを表現しました。源氏香は賢木。



SHINWA WALK 27


SHINWA WALK 28

●ポイント解説●

第27回は七里の渡し伝説。熱田の宮から桑名まで海路で渡る船の発着場跡を紹介。七里の渡し跡は公園として整備され、常夜灯が今も残っています。ギリシャ神話はオデュッセウスの冒険。船でトロイアから故郷・イタケまで、10年という長い漂流の旅となります。メインビジュアルの赤紫色の翼がロマンチックに映えて秀逸です。源氏香は若紫。

●ポイント解説●

第28回は喚続神社の隕石伝説。日本最古の隕石が祀られている喚続神社を紹介。周辺には星にまつわる地名がいくつか残っています。星つながりでギリシャ神話はオリオンの伝説。メインビジュアルはオリオン座です。実はギリシャ神話のいくつかは星座を元に古代ギリシャ人が物語を紡ぎ誕生していて、オリオンの物語もそのひとつです。源氏香は蛍。



SHINWA WALK 29


SHINWA WALK 30

●ポイント解説●

第29回は氷上姉子神社伝説。宮簀媛命が夫である日本武尊の死を悼み、草薙の剣を宝剣として祀ったのが、氷上姉子神社のはじまりとされ、熱田神宮のルーツでもある由緒ある神社です。ギリシャ神話は、同じく夫唱婦随のカップルであるオルペウスとエウリュディケを特集。オルペウスのたて琴をメインビジュアルにしました。源氏香は花散里。

●ポイント解説●

第30回は有松の古い町並み伝説。江戸時代から続く古い町並みは、有松絞りでも有名で伝統工芸の歴史を今に伝えています。また、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されています。ギリシャ神話は巨神・アトラスの話。メインビジュアルは、世界の果てで天空を支えるアトラスをポップアート風にデザインしました。源氏香は東屋。



SHINWA WALK 31


SHINWA WALK 32

●ポイント解説●

第31回は有松のからくり山車伝説。有松まつりには3輌のからくり山車が曳き出され、巧妙な仕掛けで人々を魅了します。人をあっと驚かすのがからくり人形師の真骨頂です。ギリシャ神話は、からくり人形師に匹敵する名工・ダイダロスの話。実はイカロスの父親でもあります。メインビジュアルは、からくり仕掛けの歯車をデザインしました。源氏香は総角。

●ポイント解説●

第32回は戦人塚伝説。桶狭間の戦いで敗れた今川軍の戦死2500余人を供養した塚といわれています。ギリシャ神話は、冥界を支配する神・ハデスの話です。ギリシャ神話の中にも天国と地獄が登場します。功徳を積んで天国に行きたいものです。メインビジュアルは宿り木。つわものどもの無念の魂を鎮めるため、合掌。源氏香は宿り木。



SHINWA WALK 33


SHINWA WALK 34

●ポイント解説●

第33回は裁断橋伝説。小田原攻めに出陣し病死した息子を供養するために裁断橋を架け替えした母の物語です。ギリシャ神話は母・テティスと息子・アキレウスの物語。どちらも川がテーマで、息子が戦死するのが共通点です。擬宝珠(ぎぼし)と合掌する手を組み合わせたメインビジュアルに、母の切ない愛情を込めました。源氏香は若菜。

●ポイント解説●

第34回は高蔵遺跡伝説。弥生式土器・石器のほか彫刻のある馬骨、馬の歯などが出土された高蔵遺跡は、考古学界から一躍脚光を浴びました。ギリシャ神話はフィクションと思われていたクノッソス宮殿がアーサー・エバンスによって実際に発掘された話。発掘の様子をイメージしたメインビジュアルがワクワク感を創出しています。源氏香は東屋。



SHINWA WALK 35


SHINWA WALK 36

●ポイント解説●

第35回は大高場伝説。戦国の世に目まぐるしく城主が交代した大高城。現在は公園として整備されている大高城跡は草木が生い茂る野原といった趣です。一方のギリシャ神話のクノッソス宮殿にはミノス王が永続的に居城しました。メインビジュアルは、クレタ島を網羅するように駆け巡るアリアドネの糸で、ラビリンスを表現しました。源氏香は蓬生。

●ポイント解説●

第36回は松風の里伝説。かつて正覚寺の裏手に松の巨木が数本そびえ立つ松風の里という絶景があり、尾張名所図会にも記されています。ギリシャ神話は、ホメロスとヘシオドスが書いた4つの叙事詩をもとに、アポロドロスが書物として整理したといわれています。目の前に迫まってくる松の巨木のメインビジュアルが印象的です。源氏香は松風。



SHINWA WALK 37


SHINWA WALK 38

●ポイント解説●

第37回は夜寒の里伝説。熱田区夜寒町一帯は、かつて閑静な月の名所として知られていて、砧を打つ音を聞きながら月夜を楽しむのが風流とされていたようで、旗屋小学校前に「尾張名所夜寒里」の石碑が建っています。メインビジュアルは名月の夜に砧を打つ清楚な女性。ギリシャ神話は、名所・ヘスペリデスの園を取り上げました。源氏香は匂宮。

●ポイント解説●

第38回は金山神社の鍛冶伝説。金山神社は金山という地名の発祥の地で、この近辺はかつて鍛冶職人の町として栄えていました。メインビジュアルは、鍛冶職人が刀づくりに打ち込む様子の火花散る迫力ある構図が目を引きます。ギリシャ神話は鍛冶の神様・ヘパイストスの話。アフロディーテの夫としても知られています。源氏香は藤袴。



SHINWA WALK 39


SHINWA WALK 40

●ポイント解説●

第39回は住吉神社伝説。江戸時代の熱田は、海の玄関口でもあり、住吉神社は名古屋城築城建設守護神とされ、建設資材を運ぶ船の航海の安全を守る神社として祀られたものです。ギリシャ神話は、同じく海の神・ポセイドンを特集。メインビジュアルは、ポップなタッチの金シャチで名古屋城を表現しました。源氏香は須磨。

●ポイント解説●

第40回は観聴寺の月待供養伝説。月待供養とは、二十三夜に真摯に月を迎えて願い事をする行事のことで、観聴寺の境内に三基の月待供養碑が残っています。ギリシャ神話は、月の女神・アルテミスを特集。メインビジュアルは、下弦の月の中に浮ぶ可憐な末摘花。人々の一途な信仰心を花に込めて擬人化して表現しました。源氏香は末摘花。






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