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“Icarus”イカロス



                 SHINWA WALK〜伝説そぞろ歩き 1〜20


「SHINWA WALK〜伝説そぞろ歩き」は、双方の共通点に着目し「ギリシャ神話と日本神話のハイブリッド」という手法で、郷土の神話、伝説、民話の足跡をたどるロマン紀行です。実際に現地に赴き、歩いて史跡を巡り生の情報を収集。現在、熱田法人会広報誌「あつたの杜」の中で連載しています。新しい伝説の世界をお楽しみください。第6回から遊び心をプラスするため、源氏香を採用しました。源氏香は平安時代に貴族の間で流行った高貴な遊びで、5回焚いた香の種類と順番を当てるものです。その種類と順番は全部で52通りあり、5本線で記号化しています。それぞれの記号に源氏物語の巻名がつけられていることから「源氏香」と呼ばれています。

                       ※原稿を読みたい方は、画像をクリックしてください。



SHINWA WALK 1


SHINWA WALK 2

●ポイント解説●

もともと神話に興味があり、日本神話とギリシャ神話には共通点があるのではと詳しく調べ始めたのがシリーズスタートのきっかけ。ギリシャ神話のイカロス少年が熱田に舞い降りた設定で、第1回はそのコンセプトを紹介しました。イカロスの翼と熱田の宮が融和したメインビジュアルの構図は、時間をかけて練り上げた渾身作です。


●ポイント解説●

第2回からいよいよ本格スタート。熱田大神の揚貴妃伝説を特集。揚貴妃は、実は熱田大神(天照大神)だったという伝説を紹介し、ギリシャ神話のアフロディーテと比較しました。また、メインテーマを5・7・5・7・7の短歌として大きく表現しています。メインビジュアルは玄宗皇帝が揚貴妃を後ろから抱擁している図です




SHINWA WALK 3


SHINWA WALK 4

●ポイント解説●

第3回は盗まれた神剣伝説。熱田神宮の草薙の剣が、盗まれたことがあったという話です。盗人が逃げたとされる清雪門は「開かずの門」として熱田神宮に今も残っています。ギリシャ神話は、商売の神・ヘルメスから譲り受けた剣でメドゥーサを退治する「ペルセウスの冒険」を紹介。どちらも剣がテーマということで、さ迷う剣をメインテーマにしました。



●ポイント解説●

第4回は、日本武尊の白鳥伝説。日本神話の日本武尊と宮簀媛命、ギリシャ神話のペルセウスとアンドロメダ、そして玄宗皇帝と揚貴妃。3組のカップルの共通点、国境を越えた3つの愛の不思議なつながりについて紹介した、3部作の最終話です。日本武尊と宮簀媛命が二人仲良く空を飛ぶメインビジュアルはシリーズ最高傑作の一つ。





SHINWA WALK 5


SHINWA WALK 6

●ポイント解説●

第5回は平景清の伝説。頼朝を仇討ちするため熱田に潜伏した景清の話です。景清が隠れたとされている大楠は、今も熱田神宮の手水舎南側にそびえています。ギリシャ神話は殺された百眼怪人アルゴスがヘラの手によってクジャクの羽根の目の模様になったという話を紹介しました。メインビジュアルは大楠に隠れる景清の図。景清の姿、分かりますか



●ポイント解説●

第6回は源頼朝の生誕伝説。熱田神宮すぐ西にある誓願寺の境内には「源頼朝産湯の井」が今も残っています。ギリシャ神話は、頼朝にも劣らぬ英雄・ヘラクレスを紹介しました。また、この回から短歌の中に52個ある源氏香の一つを入れ込み、その源氏香のマークもデザイン処理し、遊び心をプラスしました。源氏香は空蝉。ちなみに一香と二香が同じで三香、四香、五香が違う種類という意味の記号です。





SHINWA WALK 7


SHINWA WALK 8

●ポイント解説●

第7回は平将門の不死身伝説。将門の急所はコメカミ。ギリシャ神話のアキレウスの急所は足首(アキレス腱)。ともに不死身といわれた二人でしたが、その急所に矢が当たり、命を落としているという共通点があります。これぞまさしく伝説そぞろ歩きの真骨頂。これを発見したのがシリーズスタートのきっかけになりました。源氏香は幻。



●ポイント解説●

第8回は西行法師の二十五丁橋伝説。熱田神宮の二十五丁橋で西行法師と熱田大神が繰り広げた粋な問答、ギリシャ神話ではオイディプスがスピンクスの謎かけに見事に答えます。思えば人生は一日一日が修行。人生という大きなテーマについて問うた意欲作です。メインビジュアルはスピンクスと源氏香を組み合わせ構成。源氏香は手習い。





SHINWA WALK 9


SHINWA WALK 10

●ポイント解説●

第9回はほうろく地蔵の伝説。地蔵堂は熱田神宮の南東に今もひっそりと佇んでいます。お地蔵さまが商売の神様になったという話ですが、ギリシャ神話では商売の神様・ヘルメスを紹介。ほうろく地蔵とヘルメスはどちらも間をとりもつのが共通点です。源氏香は野分(台風のことです)。メインビジュアルの渦は台風を表現しています。

●ポイント解説●

第10回は東海道の道標伝説。熱田神宮南の国道1号線の1本南の旧東海道には古くから建っていた道標が今も残っています。ギリシャ神話はテセウスがミノタウロス退治の後、脱出の道案内となったアリアドネの糸を紹介しました。道標が建っていた東海道と佐屋路がぶつかる交差点の当時の様子を絵で再現した会心作です。源氏香は澪つくし。



SHINWA WALK 11


SHINWA WALK 12

●ポイント解説●

第11回は布曝女伝説。日本武尊が妻となる宮簀媛命と出会った時、宮簀媛命が聞こえないふりをして逆に気を引いた物語。ギリシャ神話は同じく耳にまつわる話で美しい歌声で船乗りを誘う魔女・セイレンの伝説を紹介しました。また、源氏香の前に白い布が斜めに遮るメインビジュアルの大胆な構図が印象的です。源氏香は乙女。

●ポイント解説●

第12回は高座結御子神社の井戸のぞき伝説。竜が守り神として住む井戸の話。ギリシャ神話は竜を退治してテバイを建国したカドモスの話。しかし、カドモスが退治した竜はアレスの泉の番人役であり、それが災いしてカドモスの娘に不幸が訪れます。どちらも守り神は大切にしましょうという教訓。メインビジュアルは井戸に住む竜の絵。源氏香はかげろう。


SHINWA WALK 13


SHINWA WALK 14

●ポイント解説●

第13回は熱田の蓬莱山伝説。熱田が理想郷・蓬莱山であるという話。ギリシャ神話は神々が住んでいるオリュンポス山の話。理想郷への道は険しく、困難を克服してこそ喜びがあるという教え(御法)に言及しました。メインビジュアルはヘラクレスがめざすオリュンポスへの道。亀の上に熱田神宮が乗っている絵も会心の出来映え。源氏香は御法。

●ポイント解説●

第14回は信長塀伝説。信長が運命の桶狭間合戦勝利のお礼として熱田神宮に奉納したのが、信長塀で、今も境内の第三鳥居手前東西にその一部が残っています。ギリシャ神話は神様にお礼をしなかったことでバチがあたったミノタウロスの話。筆でサッと描いた「ありがとう」が実はミノタウロスになっているビジュアルも秀逸。源氏香は花の宴。



SHINWA WALK 15


SHINWA WALK 16

●ポイント解説●

第15回は桶狭間合戦伝説その1。信長の奇襲攻撃が功を奏し、わずか2時間で決着した桶狭間合戦。10年以上続いてギリシャが勝利したトロイア戦争。2つの戦いを対比させました。メインビジュアルは信長の燃え立つ闘志を篝火で表現。試行錯誤を重ねた結果、全体のレイアウトもこのスタイルに落ち着きました。源氏香は篝火。


●ポイント解説●

第16回は桶狭間合戦伝説その2。桶狭間古戦場跡が2つあるのは、あまりにも有名な話です。ただ2地区は直線距離でわずか1キロほどしか離れておらず、両地区一帯で合戦があったというのが真相のようです。ギリシャ神話は夫の帰りを20年も待ち続けた貞淑な妻・ペネロペの機織りの話。源氏香は松風。「待つ」と「松」をかけた苦肉の策です。





SHINWA WALK 17


SHINWA WALK 18

●ポイント解説●

第17回は身代わり地蔵伝説。人々の身代わりになって盗賊に斬られ、盗賊を追い払った、身代わり地蔵の話。夫・アドメトスの代わりに身代わりとなり死んだ妻・アルケスティスの話です。冥界を絵でどう表現するか、悩んだ結果、2つの渦が巻くこのビジュアルになりました。翼はアドメトスとアルケスティスを表しています。源氏香は薄雲。


●ポイント解説●

第18回は笠寺観音の玉照姫伝説。笠寺観音に古くから伝わる伝説で、雨に濡れている観音の頭に自分の笠を脱いで被せたお玉がそれを見ていた藤原兼平に見初められ姫になった話。ギリシャ神話はゼウスと結ばれたレトの話。どちらもシンデレラストーリーです。お玉が観音さまに笠を被せる瞬間の構図は可愛い手がポイント。源氏香は玉かずら。




SHINWA WALK 19


SHINWA WALK 20

●ポイント解説●

第19回は高蔵坊狐伝説。これは大高の長寿寺に伝わる伝説で、狐がお坊さんに変身して恩返しした話。ギリシャ神話は変身のプロ・ゼウスを紹介。ゼウスに求愛されたら最後、絶対に逃れられず、身籠ってしまいます。それゆえ、ゼウスはギリシャ神話のメインキャストの父親でもあります。ドラマが動く時、ゼウスありです。源氏香は胡蝶。

●ポイント解説●

第20回は熱田神楽伝説1。この地方の祭り囃子の定番ともいえる熱田神楽の起源と保存会について紹介しました。ギリシャ神話は収穫の女神・デメテルと娘・ペルセポネ。ペルセポネが冥界から帰ってくると春になり秋には収穫がもたらされます。実った稲穂にトンボがとまったメインビジュアルの世界観がとても気に入っています。源氏香は行幸。







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